お客様からうれしい声を頂きました。

　今回の売主様は、私の学生時代の知り合いでした。偶然お会いした時に、「私宅建士になって不動産屋を起業するんです」とご挨拶したところ、「相続した土地に困っている」とご相談頂きました。二人でその土地を見に行ったとき、大変失礼ながらしばらく絶句してしまいました。この土地を使って下さる方、果たしているだろうか？

　先輩宅建士さんに相談したところ、「必要な人はいるものよ。土地はいつかは売れるもの。大丈夫」

　ただご近所にあいさつに行くと、やはり相当ご迷惑をおかけしていました。謝罪すると「あなたが誤らなっくていいでしょ」と言われましたが「いいえ、売主さんと私は一心同体です」「そこまでしてくれる不動産屋さんなんていないよ？」と笑ってくださいました。

　それにしても、ご近所の方、お困りだったのに、全然怒った風を見せないんです。『なんていい人たちばかり!!』

　そうこうしているうちに、本当に奇跡的にこの町の物件を探している人に出会えました。すぐに気に入ってもらえ、見て下さった即日に「買いたい」と申し入れが。うれしい、うれしすぎる!!　　これでとんとん拍子かと思いきや・・・

　道路との間に幅10㎝ほどの一筆の土地があって、これが融資を難しくしました。５人の共有です。1/1000でも持分をもらわなければ、この土地は使用できません。でもやっぱり私には幸運が舞い降りて、これも解決。これで正当な評価額もいただくことができます。

　融資の問題も解決でき、晴れて決済を終えることができました。

　この土地、実は父の出身地。持分をくださった方はご夫婦ともに母の里である久万高原町出身の方。もうご先祖様が応援してくれているとしか思えませんでした。

　売主様は私のかつての憧れの人。何十年ぶりにお会いしても、やはり優しくて聡明な方のままでした。

　

　買主様は、起業したご主人を「裏の仕事は全部任せて」といった感じのまだお若い女性。

御主人は早朝から遅くまで、土日もなく仕事をされているそう。「でも現場めっちゃ楽しいんですって」。

思春期の娘さんや小さなお子様たちのいる肝っ玉母さんぶりを発揮していました。

そして絶対大変なはずなのに、とても前向きで幸せそうなんです。

びっくりしたのは、パートナーの御主人や娘さんを「本当にほんっとに優しいんです」とストレートに褒めること。

いいなあと思いました。そしてお会いしたその日に大好きになりました。

　そしてこのお取引が進むうちに、売主様・買主様への想いだけでなく、土地への思いも感じ始めました。

広くはない日本で、ちゃんと使えるポテンシャルがあるのに使ってない土地の多さ。

そこを最大限引き出せるようにするのも宅建士の仕事。

これを身をもって感じられたお取引でした。